ガウディの初期の傑作”グエル邸 /Palau Güell”
2016/05/31
[2015/7/29(水)のはなし]
1984年に世界遺産に登録
ガウディの良き友人であり、最大のパトロンだったエウセビ・グエル/EUSEBI GUELLさんの依頼により 1886年から1890年にかけて建築された、グエルさんのお家。 グエルさんは、実業家、政治家、文芸・学術後援者なんですって。つまり大金持ちね。 賑やかなグラシア通りの脇道に入って少し行くとあります。
なんと改装工事で7年間も中を見れなったのだそう。2011年5月に再オープン。 日時指定のチケットはネットで予約していきました。空いているかな?とお昼の12時にしました。 (チケットの取り方は「グエル邸 チケット」で検索するとわかりやすいサイトがたくさんあります。感謝ですね。)
正面ファザードの二つの大きな放物線アーチは、カサミラやカサバトリョとは全く違った雰囲気。 何個かの案をグエルさんに見せて、選んでもらったのだそうです。
鍛鉄製の格子扉。
両扉の上には、家主グエルさんのイニシャル。
そして、中央には鷹の装飾。ごつい...ですね。
外からは中が見えずプライベートを守り
内側からは見える仕組み。
厩舎のあった地下階
チケット(スマホ)を見せて中に入ると「Where are you from?」と聞かれるので 「Japan」と答えると日本語のガイド機を渡されますので、そのまま地下に向かいます。 建物は地下1階地上4階。
馬車がメインだった時代なので、チケットを見せた階に馬車を停めて、馬たちは下の階へ。レンガの柱がとても美しく並んでいました。 馬の臭いがこもらないように、換気構造を建物全体に採用しているのだそう。さすがです。
馬の手綱をかけておく↑これもおしゃれ。
床の石もなんだか可愛い。
こういう↑レンガの造りって、ガウディらしい。
吹き抜けになっているので
お水を飲んでいるお馬さんが見えるんです。
住宅の玄関と中央階段のある中2階へ
大理石の柱が並ぶ中2階へと続く階段。のぼったところにあるステンドグラスは、カタルーニャ州旗をもとにデザインされたものだそう。 お家に人を招くことが多かった新興ブルジョワのグエルさん。 そのためガウディは、グエルさんの面子を考えてきちんとしたお金持ち感を出したのだとか。 なので "カサ・ミラ" とかとは、雰囲気がまったく違うんですね。
細かい装飾
たくさん使われている大理石や天然石は、すべてグエルさん所有の採石場から持ってきたものなのだそう。
家族の揃う食卓↑
いい感じの距離感で、会話が弾みそう。
まるでプラネタリウムのような吹き抜けのサロン
一番の見所は、もちろんこの2階から4階まで吹き抜けになっている中央サロン。 写真などでは何度も見ていたのですが、実際にその空間に入るとこれまた なんとも言えない気持ちになります。これが、住宅街の個人のお宅にあるのですから。
とてもギラギラしている装飾なのですが、ここはとても開放感があり「上はどこまで続くのだろうか?」という気にさえなります。
このメインフロアには楽団室もあり、特別な晩さん会などには、楽団や合唱団を招いて生演奏が行われていたのだそうです。 本当に豪華絢爛な時間がここで流れていたのですね。すごい。
金色の小さな礼拝堂まであります。
上から。
使用人用の屋根裏
その昔、使用人の部屋や台所、洗濯室があった屋根裏は、現在はグエル邸についての資料の展示スペースになっていました。 私は、どの建物もこの屋根裏部屋がとても好きです。なんとなくガウディの愛を感じます。
可愛らしい煙突の並ぶ屋上
屋上に並ぶ煙突は、家の中とは違いちょっとポップな感じになっていて、ここにもちょっとしたガウディの愛を感じます。
隣と近いからなのか...「絶対に入れませんからね」という意思表示のすごい柵が...
ガウディと職人さんのなせる技
ガウディは芸術家や職人を雇い、細かいところをつくっていったそうです。 彼の頭の中のものを現実のものにしてきた職人さんたちって、本当にすごいですよね。
じっくりゆっくりとガイドを聞きながら見ると、1時間30分くらいかかると思います。 ぜひ細かいところまで観て、ぞわぞわしたりうっとりしたりしてみてください。ガウディの愛を。
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