世界遺産の未完成のコロニア・グエル教会
2016/07/25
[2015/8/3(月)のはなし]
ガウディの最重要作品!
ガウディの友達でもあり最大のパトロンでもあったエウセビ・グエルさんが、 バルセロナ市(サンツ地区)から繊維工場をこちらへ移し、工場だけでなく従業員の家や学校、図書館、劇場などがある 労働者が豊かに暮らせるコロニーを創りろうとしたのが、『コロニア・グエル』 そして、そのコロニーには教会が必要なので、ガウディに依頼をしたのだそう。
ガウディに依頼したのは、1898年。そこから彼は逆さ吊り模型の制作に10年間を費やしたため、工事が着工されたのは1908年!! ガウディと言えば!な「逆さ吊り実験」は、この教会でやろうと実験を重ねていたんですね。にしても実験期間...長い。 "逆さ吊り"だけではなく、天井の複雑なアーチなど他にもたくさんの彼らしい工法をつかっているんです。
残念なことにグエルさんの病や資金不足により1914年に、ガウディはこの職務を辞任したのだそう。Casa BRUTUS No. 173より
Casa BRUTUS(カーサ・ブルータス)2014年8月号[雑誌]
なので、未完のまま。ガウディの弟子たちがなんとか地下礼拝堂だけは完成させたようです。 なので、上はできていないのでなんとも不思議なカタチをしています。
行き方
バルセロナ郊外、サンタ・コロマ・ダ・サルバリョ市にあります。 モンセラットと同じ方向なので、同じ日に両方行く人もいるみたいですが、どちらもゆっくり見たかったので別々の日にしました。
カタルーニャ鉄道(FGC)でマンレザ(Manresa)方面の電車に乗ります。
スペイン広場駅(Pl.Espanya)乗車 → コロニアグエル駅(Colònia Güell)で下車。
約20分ほどで到着します。※通過する電車もあるのでお乗り間違えなく!
- 時刻など確認できます(ジョルダン的な) → カタルーニャ鉄道HP
- カタルーニャ鉄道の時刻表は → こちら
モンセラットに行った時の記事はこちら → カタルーニャの聖山 ”モンセラット”
青い足跡をたどって...
コロニアグエル駅(Colònia Güell)は無人駅です。 私たちが降りた時は、他に1人だけ降りました。降りたホームには改札がないので階段を登り改札口へ。 1人降りた人は、線路から行っていました...(そのくらい低いし、電車も通らない、でもダメ!)
無人だけどけっこう現代的な駅を出ると可愛らしい足跡が、コロニア・グエルまで導いてくれます。 途中ちょっと途切れて不安になりますが、ちゃんとたどり着きました。
繊維工場は1973年に閉鎖されたようです。
街の雰囲気がバルセロナとは全然違います。
まずは、受付のある建物へ行きます。 そこでチケットを購入しガイド機を渡され、説明を受けます。 その建物を出た道の向かいにトイレの建物があるので、そこで済ませておきます。
まず、まっすぐ教会に向かいます。
先ほどの建物から5分もかからないところにありました。
外観からとてもガウディ
なんだか不思議なカタチの教会。私たちが行った時には1組くらいしか人がいなくてゆったりと観ることができました。
エントランスのポーチからして独特で美しい。
この美しい大窓は22個あるのだそう。独特なカタチですよね。外側のフレーム?はステンドグラスを雨風から守るためだそう。
ここは一段低くなっていて、ベンチもありゆったりと過ごせます。少し涼しくてしばらく休んでいました。ガイド機がなんと言っていたか忘れちゃった...なんだっけな?
座って見える景色。
入り口の扉の上には美しいタイルの装飾があります。
これらはキリスト教にまつわるシンボルなのだとか。
地下聖堂はとても美しく力強い
外はものすごくいい天気で明るかったのですが、教会内はほどよい明るさ(暗さ?)でした。きっと窓とかの光の差し方も計算されているんだろうなー。
この目立つ柱。どーんっと4本、玄武岩(マグマが地表あるいは地表近くで急激に冷えて出来た火山岩)でできているそう。
この天井のカタチと光の美しさ。
この聖水盤、なんとサグラダファミリアにもありました、
同じものが!!フィリピン産の巨大なシャコの貝殻。
大窓のステンドグラス。巨大な十字架なんです。
お花みたいにも見えるけど、不思議な開き方をして、
残る部分が十字架なんです。
信仰深かったガウディだけあって、マリア様は本当に美しかった。
彼は光の入り具合とかを本当に巧みに操りますよね。
モンセラット修道院で球っころに触った黒いマリア像が安置されています。こちらはレプリカ。 カタルーニャ地方の人々にとって特別な存在なんだそう。
人間工学を取り入れたこちらの2人がけの椅子。なんとちょっと座るとお互いがちょっと外側を向くようになっているそうで、 それぞれ自分の世界に入りやすいような気遣いなんですって。細かい〜。
小祭壇。
こちらはガウディの弟子のジュジョールらが手がけたそう。
祭壇裏へ
祭壇裏へと続く階段のこのレンガ。
なんとガウディは5回も職人さんにやり直させたんですって。
このレンガ使いも独特。
祭壇裏のスペースには、ガウディのコロニア・グエル教会のスケッチがありました。本当に小さなサグラダファミリア!!
礼拝堂よりも天井に近いので、より迫力あるレンガの動きが観れます。
再び地下礼拝堂へ
光が本当に美しくてとてもすてきな空間。
しばらくベンチで静かに座っていました。
未完成の屋上へ
鐘楼。もとは換気塔としてつくられたが、弟子たちが教会として使えるように鐘楼に。
本来ならここに先ほどのスケッチのような塔が建つはずだったんだねー。この黒いのは地下礼拝堂の柱のところかな?
弟子たちのおかげで、鐘があると思うとなんだか嬉しい。
屋上からの眺め。
ガイド機を返しに先ほどの受付へ
受付の横には博物館がありチケットがあれば入れます。
ガウディ。
タイル。
逆さ吊り模型。
ここで私たち、出口こっちかな?って行ったところで、閉じ込められたんです!!入ったドアも開かない、他のドアも開かない... この街...写真でもお分かりかと思いますが、人が歩いていたりしないんです。外に助けを求めてもダメだから、 中の人に気がついてもらおうと内側のドアをどんどんどんと叩き続けました。しばらくすると受付にいたおねーさんが鍵を持って現れたんです!!女神様やっ!! てくらいの気持ちなのに、なぜだかお姉さんが謝っていましたが、私たちが迷い込んだのが悪いよね。でもきっと何人かいたんだろうなー。 無事に脱出できたので、せっせこ来た道を戻ります。
現代的な無人駅
降りた時とは違う改札があったので、そちらから入りました。
券売機
ベンチもあり日陰になっています。
まとめ
本当になにもないので、行くときはお水やちょっとしたおやつは持参したほうがいいと思います。 あと、もし夏なら帽子や日傘(ただの雨用の折りたたみ傘でもOK)、扇子などもあると安心です。
帰りにはたくさんの人が訪れていました。もし静かに見学したいのなら午前中がいいと思います。 私たちは午前中に行き、(遅めの)ランチはバルセロナで食べました。暑すぎてコロニーをぐるっとできなかったので早かったのですが... もし、コロニーの方もぐるっとするならもう少し時間がかかるかもしれないですね。プラス1時間くらい。
コロニアグエル教会の空間はとてもしんっとした空気が流れていました。 いつまでもゆっくり座ってられるような。そこかしこにガウディの愛を感じられます。 少し離れていますが、訪れて良かったです。
2人分(2015年時)
- 電車往復:12,00 ユーロ
- 入場料:18,00 ユーロ
Information
コロニア・グエル教会 | Colònia Güell
- 見学時間:
- 冬時間:11/1 - 4/30
- 月〜金:10:00 - 17:00 土日祝日 10:00 - 15:00
- 夏時間:5/1 - 10/31
- 月〜金:10:00 - 19:00 土日祝日 10:00 - 15:00
- 休業日:1/1, 1/6, 聖週間の聖金曜日(移動祝日), 12/25, 12/26
- 公式HP:コロニア・グエルの見学 | Colonia Güell
参考リンク
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