カタルーニャの聖山 ”モンセラット”
2016/07/14
[2015/8/2(日)のはなし]
ガウディがなんども訪れた場所
『Montserrat』は、モンセラ、モンセラート、モンセラットとも読む。 「ギザギザな山(のこぎり山)」という意味。 ベネディクト会のサンタ・マリア・モンセラット修道院付属大聖堂/Monasterio de Montserratがあり、 キリスト教の聖地として巡礼に来る人も多数いるのだそう。
ここはガウディが、サグラダファミリをつくるにあたってインスピレーションを受けた場所と言われています。
私たちの行き方
私たちはバルセロナ市内から行ったので、スペイン広場/Placa Espanya駅からカタルーニャ鉄道(FGC)に乗りました。
行き方は、2つ。
- R5線 Manresa行で68分『Monistrol de Montserrat』で下車
→登山鉄道(クレマジェラ)に乗換て約20分『Montserrat』 - R5線 Manresa行で64分『Montserrat-Aeri』で下車
→ロープウェイに乗換て約10分『山頂駅』
私たちは、夫(けん)が高所恐怖症なので、登山電車にしました。 両方乗りたい方(行きはロープウェイ、帰りは登山鉄道)は、セット券ではなくバラバラで購入しなければいけないそう。 スペイン広場/Placa Espanya駅の自動券売機で往復券を購入。この時に、フニクラ(ケーブルカー)もセットのを買えば良かったとあとあと後悔しました。
R5号線のManresa行きの電車に乗ります。 カタルーニャ鉄道の時刻表は→こちら
電車はとてもきれいで快適です。1時間ほどして、Monistrol de Montserrat駅に到着。 登山鉄道に乗り換えます。 ※ロープーウェイの方は、Montserrat-Aeri駅で乗り換え。 しばらくして、みえてきた景色はものすごく大きな岩の山!!どのくらい乗ってたかな?約20分くらいと思います。(曖昧...)
のこぎりと言うよりは...
到着した先は『奇山』と言われるだけあってとてもおもしろいカタチをしています。 山というよりも巨大な岩!のこぎりと言うよりは、もごもごしてる。もごもご。
あまりの景色に、とりあえず展望スペースのところに行ってみました。 普段登山なんてしないので、この山の中の感じはかなり久しぶりです。 でもスケールがものすごく大きすぎて、よくわからないくらい。写真に撮ってもなかなか伝わらない雄大さ。
黒いマリア様
とりあえず、混んでしまう前に「黒いマリア様」に会いに大聖堂に向かいます。
手前の広場に、どこにいてもこっちを見ている像がありました。じーっと見てくる... なんか見たことあるな、と思ったらサグラダファミリアの「受難のファザード」制作の中心だった彫刻家スビラクスさんの作品なんですって。 そうだそうだ!このしゅるんと長い感じ。スビラクスさんは、ガウディの弟子だったとか。
ベネディクト会のサンタ・マリア・モンセラット修道院付属大聖堂(Monasterio de Montserrat) の奥に「黒いマリア様」がいます。 880年に、羊飼いの少年たちが洞窟の中からマリア像を発見したのだそう。 今では、マリア様が持っている天球に触れると願いが叶うとされています。
大聖堂の前の広場には、パワースポットと言われる丸いところがあります。
一応そこに入ってみました。入ると言うか、乗る?何かを特別に感じることはなかったけど、何かをうっすら感じたかも?ひひ。
そして、マリア様の像を見るために並びます。 私たちが並んだ時は、15分くらいで中に入れました。 少し高くなったところにガラス張りのケースに入っていたマリア様。 手に持っている天球にだけ触れるように、そこだけ手が入れれるようになっています。 キリスト教徒ではないので、挨拶をし、さわっと触らせてもらいましたが、なんとなく優しい感じがしました。 ただ、聖堂の中はちょっと気分が悪くなりました。なにかが渦巻いてたかな?
ガイドなどには「エスコラニア」と呼ばれる少年聖歌隊の合唱を聞くのがお勧めとありましたが、私たちはパス。
ご飯を食べに、カフェテリアへ
大聖堂を出て、登山電車で来た駅の右側にあるお土産物屋さんやカフェテリアのある建物へ。 カフェテリアはセルフ式で、好きなものをピックアップし、レジで精算、その後席に着く。という流れ。 そこまでマズくないし、そこまで高くなくて、ほっとしました。2階の席でのんびりとランチ。トイレもあります。
フニクラ(ケーブルカー)でもっと上へ
腹ごしらえも終わったので、フニクラ(ケーブルカー)でサン・ジュアン/Sant Joanを目指します。 20分ごとにやってきます。少し待ちましたがすぐ乗れました。 ものすごく登山格好の人もいれば、近所のカフェにでも来たのかと思うような軽装の人も…
すごく急な勾配を頑張ってフニクラさん(ケーブルカー)が登ってくれました。約5,6分乗車。
すれ違う時。お互いを撮る。
到着したところは、標高972メートル。 トレッキングコースが何コースかありましたが、私たちは一番楽そうなコースにしました。
柵もなにもないので、ものすごい開放感。人がつくった道なんだけど、人工的な感じが少ないので自然を感じやすいです。
とても天気が良かったので、帽子は持って行った方が良かった... 私はなぜか持っていかなかったので、ストールを頭に乗せたり、最後は巻いていました、ターバンのように。すごい日差しの強さです。
途中、ロッククライミングをしている親子がいました。
サン・ジュアン/Sant Joanを通り越して...
すごい景色に自分がいったいなにものなのかよくわからなくなりながら歩いていると、サン・ジュアン/Sant Joan祈祷庵に到着。 なにやら歌が聞こえるなと思ったら、茂みのところで輪になって手をつないで歌っている人たちがいました。涼しいところで、お祈りしていたのかな?
少し休憩をした後、その先に進んでいると徐々に道が険しくなってきました。
上からサン・ジュアン/Sant Joan祈祷庵。
もっと上からサン・ジュアン/Sant Joan祈祷庵。
こんな岩のところに人が来てこれをつくったの?どうして?っていうような道。
振り返るとこんな景色。
目をこらすと、あの大きな岩の間に階段と人が見えます。人がいてやっと岩の大きさがわかりますよね。
そして「もう、崖じゃん」 ってところに差し掛かり、私は断念。これ以上行ったらもう戻ってこれない気がして… 夫(けん)は、元気よく「ちょっと頂上みてくるね」と登って行きました。
その間、いろいろな人が降りてきたり、登ってきたり。 本当にみなさん、すごいんですよ。 ワンピースにペタンコサンダル、とか。ロングスカートにウェッジソールのサンダル、とか。 ミニのスカートにオシャレなハンドバッグ、とか。 え?みなさんお散歩がてらに的な?
しかも、私の断念した急なところをぺちゃくちゃカフェでおしゃべりするような感じで降りてきたり。 みなさんのたくましさに本当に驚愕しました。 そして、もしや夫(けん)はここに戻ってこれなくなったんじゃ? と不安になるくらい、待ちました(たぶん15分くらいですが...)が無事に戻ってきました。 上までいってすごい景色を見てきたそうです。
そして、上りの時に避けた急な階段を下ります。 これ、本当に怖い。 どうしてみなさんすいすい降りれるのだろうか。不思議だ。
この景色は写真に撮るとなんだか伝わらないなぁ〜感がすごいです。 もっと、こう、すごいんだけどなぁって。
これ↑すぐ先は断崖絶壁。柵とかまったくなしです。
左の岩のあの色が違うところを通ったなんて...なんかすごい。
帰りも同じ
帰りもフニクラ(ケーブルカー)で降ります。 登りよりも下を見ながら降りる下りの方が、少し怖かったです。
そして、登山電車に乗ります。 ↓帰りの登山電車は、進む方向の右側がいい眺めです。(すぐに取られて私たちは反対側になってしまった...)
Monistrol de Montserrat駅でカタルーニャ鉄道(FGC)に乗り換えて帰ります。
15のモニュメント
大聖堂近くのもう一つのケーブルカーからサンタ・コパ(Santa Cova)に行くルート。こちらは下りのケーブルカー。 駅から巡礼路を進んでいくと黒いマリア像が発見されたという洞窟まで行けるんですって。 そして、途中には15のモニュメントがあるのだそう。その1つにガウディ作の「キリストの復活」もあるのだとか。 次回は体力をつけて、時間にも余裕を持って、この道を通りたいな。
まとめ
修道院のある地点から、さらに上がってみるのはとてもおすすめです。ものすごい急勾配をフニクラで上がるのも楽しいし、 サン・ジュアン祈祷庵までの道もすばらしい景色で登山嫌い(坂道が苦手)の私でもとても楽しかったです。 行くなら(身軽な気軽な格好の方もいましたが)ちゃんとした靴のほうが無難だとは思います。 修道院だけで上まで行かないとしても、バルセロナ市内よりも上着1枚プラスしたほうがいいかもしれないですね。 やはり標高は高いので。そして、日焼け対策もしっかりと!!
今は、登山電車やフニクラなどですいーって行けるけど、あそこに最初に踏み込んだ人は、ただの山だったんですよね。 信仰の力ってのは本当に計り知れない。 どんな想いでマリア様に祈りを捧げていたのだろうか。 私にはとても想像できないけど、歴史の残した、人々の記憶はきちんとその場所に残っていました。
ガウディは、この雄大な景色を見て、人々の力や自然の力を感じ、 それがサグラダファミリアなどのカタチになっていると思うとなんだか嬉しい。
彼の目は、心は、何を捉えていたのか。 なんとなくサグラダファミリアを見るとわかるから。
2人分(2015年時)
- 電車往復:40,40ユーロ
- フニクラ:20,00ユーロ
- ランチ:17,95ユーロ
- 朝電車で食べたパンなど:4,27ユーロ
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